エビとカラス

満賀日本昔ばなし「エビとカラス」

あらすじ:

昔々、とある沼にエビが住んでいました。エビは自分が沼で一番強い生き物だと思っていました。ある日、エビは沼の上を飛んでいるカラスを見て、その翼に憧れました。

「なんて自由なんだ!私もカラスみたいに空を飛びたい!」

エビはカラスに飛び方を教えてほしいと頼みました。カラスはエビのわがままさに呆れましたが、しぶしぶ承諾しました。

カラスはエビの甲羅に枯れ枝を乗せ、空に飛び上がりました。最初、エビは怖がって枝にしがみついていましたが、だんだん楽しくなってきました。沼の景色が小さくなっていくのが見られて、気分爽快でした。

しかし、飛び疲れたエビは、カラスに「もう疲れたから、降ろしてほしい」と言いました。カラスはエビの願いを聞き入れ、沼に戻しました。

沼に戻ったエビは、自分が勘違いしていたことに気づきました。カラスは空を飛ぶために翼を持っているのに、自分には翼がありません。自分はお調子者で、身の程知らずだったのです。

教訓:

  • 身の程を知る: 自分の能力と限界を理解すること。
  • わがままだと失敗する: 無理な要求をすると、かえって損をする。
  • 自由には代償がある: 自由には責任が伴う。